※本気で会話オンリー文(ん、SSはほとんどそう!)※
大掛かりな部門再編があって、フロア移動することになったわけですが。
仕事が忙しくて、はたけさんとテンゾウさんは、二人だけ遅れて書類移動と
相成りました。
で、16階のエレベータ前には、片手に開ボタン、片手に上着を二人分持った
はたけさんが、通路の方をぼーっと伺っているわけです。
「ねー早く〜。あと何個あるの〜?」
「・・・っ手伝ってくれたりはしないんです・・ねっ、と・・・はぁ、あと四つです」
「りょーかい。合計11個か〜。こうして運ぶとなると苦労するよね、書類って」
「苦労してるの、主にボクですけどね・・・。手伝ってくださいよ。ココに二人で
荷物まとめてそれからエレベータ待っても問題ないでしょ?」
「だって、今日どこも引越しなんだよ。コレ見逃したら次くるのすごい時間かか
るんだもん」
「それでも次の便が一時間後とか田舎のバスみたいなことにはなりませんよ!」
「だってオレさっきシュレッダー分別する時に流血しちゃって持てないんだもん〜」
「一瞬じゃないですか・・・」
「紙の傷っていたいよねぇ。じくじくすんの。ていうかさ、オレだって去年はオマエ
みたいなことやってたんだから。だから今年はエレベータ係なの。大変な役は
持ちまわりなんだよ」
はたけさんが堂々と語るので流されそうなテンゾウですが、ここ数年フロア移動が
必要な部門移動はなかったという事実を知りません。
「もう・・・ボクが腰痛持ちとかだったらどうするんですか」
「応援してあげるよ?」
これは本格的に手伝う気がないんだな、と、テンゾウはあきらめてため息をつくと、
もういっちょ、と少しだれてきた袖をきっちり肘あたりまでまくります。
「絶対今日オゴリですからね!」
「がんばってね〜」
残りの荷物を取りに戻るテンゾウの背中を見送りながら、はたけさんはテンゾウの
肩甲骨の盛り上がり方って萌えるなあと、ひたすら開ボタンを押し続けるのでした。
★そしてオゴリの場面★
「なんで天狗なんですか!」
「立ち飲み屋よりゴージャスじゃない〜。おまえ渋い子だね。そーいうとこでモツ煮
とかもそもそつつく方が好きだった?だったらごめーんね?」
「・・・座れる方が好きです・・・」
「あ、そう?じゃよかった!すいませんーとりあえず生ふたつー。あとたこわさと
枝豆ください〜」
「・・・・・・・・・・・・」
「ほしいものなんでも頼んでいいよ〜疲れただろうからね。おつかれさま!」
「・・・今の方がなんとなく疲れた気がするのはなんでなんでしょうね・・・」
「まあまあ、給料前なんだもん、これでカンベンしてよ。」
「大怪我した誰かさんのせいで、肩バキバキいってますよ・・・。ボク今日だけで
300kg相当の荷物を運びきりましたね・・・!実際。」
「痛いだろうね〜。ありがとね。肩揉んであげる」
「腰もいたような気がします」
「ソレも揉んだげるから」
テンゾウさんの機嫌は直りました。
お泊りが決定です。
(あほなオチ)
はたけはきっとテンゾウの「ええーっ」っていう不満顔がかわゆくて大好き。